スタッフコラム

OBさまの声「京都市中京区 Tさま」

中藏では、施主さまがお住まいのお宅を訪問する「OB宅訪問会」を随時開催しております。

将来、家の新築や改装を検討されているお客さまとご一緒して、施主さまから直接、家づくりの体験談や実際に居住してみた実感などをうかがっております。いつも和気あいあいの雰囲気のなか、適格なアドバイスをいただいており、お客さまからも好評です。

今回も京都市中京区のTさま邸を訪問させていただきました。人通りの多い商店街近くに建つSE構法による3階建てのお宅で、外装はグレーを基調としてシャープ感があり、2階のバルコニーを囲む壁には木製格子がアクセントとなって、風の通りもイメージできます。内装も白で統一され、各所に配置された観葉植物も豊かな自然光に満足そう。そんな感じを受けるお宅で、Tさまご夫婦がインタビューに応じてくださいました。

 

 

聞き手:お住まいになって2年近くが経ちましたが、住み心地はいかがですか。

旦那さま:ええ、9月で2年になります。住み心地はいいですね。何より朝起きたら光が入り、風もよく通ります。

 

聞き手:2階に広いバルコニーが設けられ、それを囲む壁の高さが1・8㍍もあるとか。風の通りを意識して設けられた木製の格子が良かったということですか。

旦那さま:そうです。新築した家の東側に面した道路は人通りが多く、外からの視線を気にせずに暮らせるよう2階のバルコニーには高い壁を設け、風を取り込むため一部壁を取り除いて、そこに木の格子をつけていただきました。デザインも京都的な雰囲気を出せて気に入っています。それでもやはり近くに建つマンションからの視線を遮ることができませんでした。といってこれ以上、壁を高くもできない。そこで内側に背の高い観葉植物を置いたところ、だいぶん改善できて、視線も気にならなくなりました。

 

T様邸_リビングルーム

 

聞き手:奥さまはいかがですか。

奥さま:わたしの場合は、とにかく、家のなかに「もっと光を」という感じだったんです。以前、近くに住んでいたのですが、家が密集していてお隣との距離も近く、家に十分な採光が得られませんでした。日中、光に満たされた家に住んでみたかった。だからいま、住み心地を聞かれたら、「最高です」とお答えしております(笑)。

 

聞き手:そうすると、だいぶん生活感が変わったということですか。

旦那さま:変わりましたね。家のお陰で生活が規則正しくなり、生活サイクルも変わってきました。実はすぐそばに実家があって染屋をしております。そちらの手伝いをしながら、沖縄の陶器や竹細工など民芸品のネット販売もしています。以前は実家の一角を事務所にしていましたが、新しい家に越してきてから事務所を1階に移したので、室内が刷新されて自然とモチベーションも上がっています。

 

 

聞き手:拝見すると観葉植物もたくさんありますね。光が降り注ぎ、植物も満足そうです。

旦那さま:中藏さんから近所のcotohaさんを紹介していただき、植物を飾るようになりました。これまでこんなに多くの植物に囲まれた生活はしたことがありませんでした。植物は生き物で、日々水をやり、光を浴びて成長していきます。その過程が分かります。自分もエネルギーをもらっている、そんな感覚になるのです。やはり、緑はいいものですよ。いま、30種以上に増えましたが、これからも増やしたいと思っています。完全にはまってしまいました。

 

聞き手:奥さまはいかがですか。

奥さま:わたしもはまってしまいました。ただ、水やりなどの世話は主人です(笑)。朝起きてすぐに水をやることが主人の習慣になっちゃって、ランニングまで始めましたから(笑)。中藏さんから紹介がなければ、たぶんこんなに植物にはまることはなかったと思います。芽が出たりすると楽しくなってきます。

 

 

聞き手:ところで、少し施工のことをお聞きしたいと思います。まず、2階と3階をつなぐ階段をスケルトンにされましたね。

奥さま:2人の子どもが小学生で、ある程度大きくなっていましたし、落ちる心配もなかったのでお願いしました。子どもがもっと小さければ選ばなかったかもしれません。

旦那さま:やはり、空間が広がるので、開放感を一番に考えました。普通の階段よりも値が張りましたが、せっかくの家づくりなのである程度妥協しなければと思って。問題なく使えており、開放感にも満足しております。

 

聞き手:玄関も広いですね。7・5畳分もあると聞いています。玄関のドアも2連式の引戸ですが。

旦那さま:京都の家にも昔から玄関には上がり框(かまち)があって、まず、それを意識しました。いわゆる土間ですが、あの雰囲気が恰好いいなと思って。それに1階の事務所と玄関がつながっており、玄関先でちょっとした仕事の話も座ってできます。

2連式の引戸もドイツから輸入していただきました。仕事の関係で荷物の出し入れも多く、広い方が使い勝手がいい。気密・断熱にも優れていると聞いておりますし、広くして良かったと思っております。

 

 

聞き手:SE構法による高気密・高断熱の施工です。住んでみていかがですか。

旦那さま:2階のリビングが吹き抜けになっていて、当初は声がよく響きました。ちょっと、反響が気になっていましたが、物を置いていくとだんだん気にならなくなりました。もちろん、高気密・高断熱なので、電気代の節約にもつながっています。

 

聞き手:振り返って、施工上もう少しこうすれば良かったと思うことはありますか。

旦那さま:クロスかな。壁の隅々をエッジが効いたシャープな感じに見えるよう白色の紙のクロスを薄くしたのですが、薄いためにどうしても下地をひろってしまいます。特に、光が当たると、ボコボコしているようにも見える。そのあたりでしょうか、気になるところは。

奥さま:細かいところを言えば、いろいろあります。住んでみないと分からないこともありますよね。でも、わたしデコボコ感も気に入っています。味わいがあっていい。

 

 

聞き手:中藏をどう評価されていますか。

奥さま:こちらは建築について、専門的なところは分かりません。イメージはこんな感じで、希望だけをお伝えしました。それを実現していただきました。間違いない仕事をしていただいたと思っております。

旦那さま:中藏さんは昔から地域に根差してこられ、わたしも手掛けられた建築物を拝見してきました。伝統的な昔ながらの工法とか、外観も流行を追いかけないとか、そういう普遍的な理念があるようで。是非、この理念を堅持して地域に貢献してほしいと思っております。

 

聞き手:身に余るお言葉をいただきありがとうございます。「ひと・まち・わざをつなぐ」を理念に据えております。この理念を守って頑張っていきます。取材へのご協力、ありがとうございました。