建築事例

K様邸_リビング

床暖房を備えた築100年の古民家リフォーム木造/2階

京都市北白川の築100年を超えた古民家のリフォームです。日本の伝統的な住まいの風情を残しながら、ホテル並みの快適性の実現をめざしました。
特に注力したのは温熱性能です。断熱はアイシネンによる吹付断熱を屋根200㎜、壁100㎜施工することで、温熱等級4以上の性能を確保しました。また、窓は外観の趣を重視し、サッシは使わず全てペアガラスをはめ込んだ木製建具にすることで熱損失の軽減と気密性を向上を図りました。さらに、1階の床全面を防湿コンクリート打ちとし、その上に温水チューブをはわせることで、コンクリートを蓄熱層とする床暖房設備を設置しています。
耐震性能を確保も大切です。そのため、構造体のチェック・不具合のある部分(柱・土台の腐朽・束・束石の正常化等)のやり替えを総合的に行なっています。
内観については、室内のアートやしつらえも考慮して照明計画を行うなど、古い建物の魅力を継承し活かすことで唯一無二の建物になり、オーナーに大変ご満足いただいたリフォーム計画となりました。

もともとの状態を手直ししてリニューアルすることで、閑静な住宅街に昔ながら風情を漂わせる。
新設した玄関までのアプローチ横には、かつての正面玄関の建具をそのまま残し、裏から照明を当て趣ある路地を演出。
リフォーム前の台所部分は床・天井を解体しもともとの火袋を復元。新しい玄関となる土間空間に変更。吹抜け状の、開放的な玄関へ。
以前からあった趣ある床の間はあまり手を加えず、照明を変えることでアートや陶器のモダンな展示スペースとした。
1階の座敷から南側のニワを臨む。机下は身体に負担がかからないよう、掘りごたつ状に床を落とし込んでいます。
座敷から縁側を通ってつながってい水廻り空間をリフォーム。ニワを楽しむ特別なリビングルームにしつらえました。
壁は吹付の断熱工事を施したのち、樹脂と土をハイブリッドした、ポロポロ落ちにくい土壁を新たに施工。
スサを多めに入れ、古い梁や柱にマッチするような古さのある土壁を表現。
元々あった丸太の梁や野地はそのまま生かし、綺麗にあらいを施して縁側を一新。
庭を愛でる特別なリビングルームにした。
濡縁の軒裏は丸太の垂木を残してその他は新設。丸太の継ぎ手などは、建築当時の大工による手仕事の凄さを感じます。
ニワと一体となるリビングルーム。夜は幻想的な雰囲気に包まれます。
縁側の奥の月見台からリビングルームを臨む。
リフォーム前の玄関は、北ニワを楽しむ水廻りゾーンとなりました。
壁と天井は桧で囲まれた空間に、また床は床暖房を完備したタイル仕上げになっています。