スタッフコラム

そうだ、中藏で家建てよう(3)建物の計画2

建物の配置。

 

前回、次回は間取りを決めていきますと予告しましたが、まだ決めなければならないことがありました!まず、建物の配置を決めていかないといけませんでした。

 

敷地と道路との関係や駐車場の有無、隣地との関係などを考慮し、建ぺい率内でその敷地に最適な建物の配置を計画します。駐車場の位置や広さはお客様のご要望をもとに設定し、隣地との関係や工事作業の計画を確認しながら計画していきます。しかし、敷地と道路との関係の中には、建築基準法で定められた条件をクリアしなければならない項目が幾つかあります。

 

その中でも『道路斜線制限』と『道路後退(セットバック)』は京都市内ではよく該当する項目であり、注意しておかなければなりません。

 

 

道路斜線制限。

 

簡単に説明すると、前面道路の反対側の道路境界線から、一定の勾配で記された線の範囲内に建築物を建てなくてはならないことで、道路の日照や採光、通風に支障をきたさないように、建物の高さを規制したルールのことです。

※道路斜線の制限は「用途地域」「道路の幅」「容積率」などで『適用角度』と『適用距離』が変わります。

 

 

それにより、一部壁を斜めにしたり、上階をへこませたりする必要がでてきます。たまに、道路に面した壁の一部が斜面になっている建物を見かけると思いますが、それが斜線制限を守るために設計された形になります。

 

 

道路後退、通称セットバック。

 

敷地前面道路が4m未満の場合、万が一のときに緊急車両が通るための十分な道路幅を確保できないため、前面道路の中心線から2mの範囲には建物を建築してはいけないというルールがあります。つまり、道路中心線から2mを確保するために、建物を道路境界線から後退して建てなければなりません。それが『セットバック』になります。

 

例えば、幅員が3mの道路の場合、建物を道路境界線から50㎝後退しなければなりません。その分、道路斜線制限は緩和されます。

 

 

 

 

同じセットバックでも、上記で述べた道路斜線制限の緩和処置のため、建物をセットバックする場合もあります。道路斜線制限の基準となる「反対側の道路境界線」を、セットバックした距離と同じだけ外側に定めることができるので、より建物の高さの自由をを広げることができます。

 

 

 

他にも、建物の配置を検討する際には『北側斜線制限」』や『隣地斜線』、『絶対高さ』、『角敷地の建築制限(すみ切り)』など、考慮する項目があります。

 

 

『北側斜線制限』

第一種、第二種低層住居専用地域・中高層住居専用地域に定められた、北側の隣地の日照の確保のために建築物の高さを規制したルール。

 

『隣地斜線制限』

隣地の日照や採光、通風に支障をきたさないように、建物の高さを規制したルール。

 

『絶対高さ』

第一種、第二種低層住居専用地域に定められた最高高さの制限。

 

『角敷地の建築制限(すみ切り)』

通行する際の安全面などの配慮を目的に、幅員6m未満の道路の角地において、その接する角の一部を空地にすること。

 

 

我が家の前面道路は4m以上のため、セットバックの必要はありませんでした。道路斜線制限に関しては、駐車場を敷地の前面に設ける予定のため回避しています。また、北側斜線制限や絶対高さなどには該当しない用途地域のため検討不要。隣地斜線制限も、高さに十分な余裕があるため該当することはありませんでした。

 

 

配置決定。

 

木造建築にはモジュールと言われる910㎜の基本寸法のグリッドがあり、それに沿って各部屋の寸法を決めていくことが多いです。

我が家の敷地にもそのグリッドを書き入れ、各規制と要望をまとめて建物の配置や外形を決めていきます。

 

 

こんな感じになりました。

・前面に2台分の駐車場。

・駐車する際の車の出入りを考慮して、東側に玄関、アプローチを配置。

・隣地との最低限の距離の確保。

・北面の敷地は斜めになっていたため、敷地形状に合わせて外形の形状を確定。

 

次回こそ、この大枠の中に間取りを配置していきます。